自衛隊コラム 配偶者・ご家族向け

南海トラフ地震対策(元自衛官が考えた)

南海トラフ地震は、日本の太平洋沿岸地域に甚大な影響を及ぼす可能性がある大規模地震です。

先日、気象庁から30年以内に発生する可能性が70→80%に引き上げられました。

南海トラフに備えるためにやっておくべきことを元自衛官が解説します。

1. 個人や家庭での備え

防災用品の準備

  • 非常用持ち出し袋
    • 飲料水(1人1日3リットルを目安に3日分)
    • 非常食(レトルト食品、缶詰など長期保存可能なもの)
    • 常備薬や医薬品
    • 携帯トイレ(衛生面で必須)
    • 懐中電灯と予備の電池、ソーラー蓄電池
    • モバイルバッテリー
    • 衣類、タオル、毛布
    • 現金(小銭も含める)
    • スリッパ(寝室に常備)

備蓄は心の余裕に!

買占め等の過度な備蓄は必要ありません。

しかしながら、日ごろから少しずつ備蓄していくというのは「いざ」と言うときに非常に大切ですし、心の余裕にもつながるので少しずつでいいので備蓄していきましょう。

特に「携帯トイレ」は必須です。震災直後は断水が予想されますし南海トラフほどの大規模な地震の場合、復旧までの時間が想像もつきません。季節にもよりますが不衛生な環境ですと感染症の危険性もありますし、臭いによるストレスもあるかもしれません

携帯トイレは今や100均にもありますし、ドラッグストアやホームセンターにも数多く陳列されています。この他のアイテムに関しても100均やそれに近い金額で買えるものも多くあるので日ごろから少しずつ備蓄していきましょう。

家屋の耐震化

  • 建物が古い場合は耐震診断を受け、必要に応じて補強工事を行う。
  • 家具の固定(転倒防止具の設置)

耐震対策は必須

現在の家屋は震度7であっても倒壊する可能性は、家屋の種類や築年数にもよりますが阪神大震災時に比べ大幅に低くなっています。

つまり、家自体が倒壊しないということを前提にすると家具の転倒等に気を付ければ、直接的なケガの回避や避難経路の確保につなげることが可能となるので家具の固定等は今すぐできることとしては、安価かつ非常に効果的な対策となります

避難計画の作成

  • 自宅周辺の避難場所や避難経路を確認する。
  • 家族で連絡手段や集合場所を決めておく

2. 地域・職場での備え

地域防災訓練への参加

  • 地域住民と協力して訓練に参加し、地域の避難経路や防災拠点を確認する。

職場での防災対策

  • 業務の継続計画(BCP)の作成
  • 従業員向けの避難訓練実施
  • 職場内の安全対策(機材や設備の固定、非常用品の備蓄)

3. 公共施設や地域インフラへの要望

  • 地震による津波発生が予想される地域では堤防や防波堤の整備を強化。
  • 避難タワーや高台の整備。
  • インフラ(電気・水道・通信)の早期復旧を想定した計画の策定。

4. 情報収集

  • 地震速報や津波警報を即時受け取るために、緊急地震速報が受信できるアプリや防災ラジオを活用する。
  • 正確な情報を得るために、政府機関(気象庁、自治体)の情報源をチェック。

5. 心構え

  • 家族や地域で協力する意識を持つ。
  • パニックを防ぐため、事前に地震後の行動をイメージしておく。

まとめ

  • 備蓄は焦らず、しかしながら確実に実施しましょう。
  • 直接的なケガや避難経路の確保のために家具の固定を実施する。
  • 寝室にはクロックスのようなガラス片を踏んでも大丈夫なスリッパを常備
  • ソーラーで発電できる蓄電池は高額でも安心感が高いので余裕があれば欲しい。
  • 災害直後は家族と連絡が取れない可能性が高いので、集合場所の示し合わせは大事です。

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