高等工科学校生徒(試験対策)

高等工科学校生徒とは

【概要】
旧称は自衛隊生徒。生徒発足の理由は、著しく科学技術が発達する現代において自衛隊でも優れた最新装備を扱い、使いこなすためには優れた若い人たちの知識と技能が必要となります。このような観点から、専門技術者としての曹を養成するために、中学校卒業者を対象とした制度です。自衛隊生徒時代は自衛官として3士の階級が与えれていましたが、現在の高等工科学校生徒になってからは学生(生徒)として扱われます。

【入隊後の教育訓練・職域】
入校と同時に神奈川県立横浜修悠館高等学校の通信制課程に入学し、全日制高等学校普通科と同等の教育を受け、併せて技術陸曹となるために必要な防衛基礎学、各種技術の専門教育や各種訓練を受けます。生徒課程修了時には、陸士長として自衛官に任官するとともに高等学校の卒業資格も取得できます。その後、約1年間陸曹としての教育課程があり終了後に3等陸曹に昇任します。

ポイント

  • 自衛隊は基本、男女平等に採用しています。しかしながら、高等工科学校生徒は国家公務員の立場でありながら高校生でもありますので男子のみの受験可能(採用)となっております。
  • 卒業後は陸上自衛官に!(防衛大学や航空学生を受験し合格することによって他幕に移ることもできます。)
  • 偏差値がかなり高い試験です。(自衛隊採用試験では上から2番目の難度です)

試験内容

【1次試験】
・筆記試験 (国語、数学、英語、社会、理科、作文)

【2次試験】
①口述試験
②身体検査

試験対策(学科試験)

【傾向】
試験時間は200分
・国語20問、社会、理科を各15問、計50問を100分
・数学、英語を各25問、計50問を100分で解答します。

出題範囲は、募集要項によれば各教科とも中学校3学年2学期終了程度となっていますが、過去問見ても分かりますが、ほぼ全範囲からの出題となっています。特に、理科において未学習分野がありました。これは各都道府県や通学する学校によって授業の進度の違うからだと思います。従って、学校の授業進度にもよりますが3年生の2学期修了時に、3学年の学習内容を全て修了していない場合は、教科書だけでも一通りこなしておきましょう。自衛隊生徒時代からもそうでしたが、自衛隊採用試験の中ではかなりの難関(防医大の次点)を誇る試験です。自衛隊生徒に落ちて、一般高校を経て防衛大学校に入校した人も多数います。本当に合格したいと思うのであれば早め早めに勉強に励み、夏休み以降はさらに頑張りましょう。

【対策】

『国語』
過去問をパッと見ると難しそう見えますが、漢字や語句、文学史からの出題もあり、これらを確実に得点すれば点数は稼げると思います。どの問題も同じ配点なので簡単で、早く学習成果が出る、漢字や語句を中心に勉強していきましょう。文章題に関しても、基本的なものが多く学校の授業をしっかり復習していれば問題ないでしょう。しかし、文章題・古文は出題される問題数が多いので時間配分には注意です。また、文章題が苦手な人は改めて問題集を1冊用意し反復練習するとよいでしょう。

『数学』
5教科の中で1番問題の水準が高いと言えます。対策としては中学でもらった教科書の例題を一通り解き、基礎を理解した上で、中級~上級レベルの高校入試用の問題集を反復して解くようにしましょう(しっかりした解答が用意されていれば、教科書の章末問題でも可能)。また、時間の割に複雑な計算問題も出題されるので計算のスピードを上げるとともに正確な解答を出す練習をする必要があります。以上のことに注意し、標準から難関校レベルの問題を繰り返し学習すれば大丈夫でしょう。

『英語』
数学と同時に解くことになりますが、英語に関しては基礎~標準レベルなので是非得点源にしたいところです。対策として、中学で学んだ構文・慣用句表現をしっかり覚え、その都度分からない単語があった場合はしっかり覚えましょう。あとは、高校入試用の問題集(総合的なもの)を1冊用意し、繰り返し解けば対策は万全です。

『社会』
地理、歴史、公民から万遍なく出題されおり、山をはることは危険です。しかし、過去問の傾向を分析してみますと、歴史(特に戦史に関する分野)が若干多いと感じます。対策としては、学校の教科書を中心に1問1答の問題集を併用し、毎日コツコツ学習すれば対策はほぼ万全でしょう。

『理科』
地学、生物、化学、物理など各分野から平均的に出題されており、全ての分野に関して対策が必要です。対策としては、教科書を中心とし、標準レベルの問題集を1冊用意し、問題集を解いて、間違えがあれば教科書で確認する。未学習の分野がある場合は独学でもいいので教科書を一読して理解しましょう。これらをしっかりとこなせば、対策はほぼ万全でしょう。

【作文について】
まず、作文の重要性についてですが、1次試験においては学科試験の方が重要です。 ですから、学科試験もおぼつかないようでは作文の心配をする前に学科試験に力を入れてください。 さて、本題に入りますが作文というのは学科試験で基準点をクリアした人のみが試験官に見てもらえます。 その時のポイントは、①「内容が適切か?」、②「字は丁寧に書いているか?」の2点です。

「過去の作文課題(一例)」
①看護学生:看護師としての優しさとは?
②一般曹候補生:模範について思うこと。
③自衛官候補生:自衛隊に入ってやりたいと思うこと。
④高等工科学校:中学3年間で学んだこと。


【最適参考書一覧】 
※航空学生、一般曹候補生、自衛官候補生とは一線を画する試験ですので基礎的なものばかりではなく有名私立高校対策レベルの参考書が必要になります。これらの問題集が難しく感じるのであれば自衛官候補生の参考書を活用し基礎から学習してください。