自衛隊では階級の昇任のスピードってどうやって決まるの?
誰か知っているひと教えてくれないかな?
こんなお悩みをお持ちの人、または自衛隊に入隊する前に知っておきたい人は、今回の記事をご覧になればお悩み解決です。
この記事では自衛隊においてどのような要因で階級が早く昇任するかが分かります。
そして一番大事な階級が上がる自衛官になる方法もお伝えします。
本記事の内容
- 曹の昇任スピードが決まる要因
- 幹部の昇任スピードが決まる要因
- ガンガン昇任する方法
「昇任って何?」って感じる方に関しては、「昇任=昇進」と読み替えてもらっても大丈夫です。
自衛隊での階級はどの要因で昇進のスピードが決まるのか?(〇曹編)
自衛隊で勤務する陸・海・空曹(以下、〇曹)は3等〇曹から〇曹長まで全隊員の半数以上の隊員が〇曹として勤務しています。
自衛隊では〇曹の昇任はどのように決まっていくのかを詳しく紹介していきます。
3曹から2曹への昇任
3曹に任命される前に曹予定者みたいな課程に入校します。期間は多少の前後はしますが約3ケ月です。その後は職種に応じた課程(学校)に行き、必要な専門的な勉強をしますが、2曹への昇任は教育隊をはじめ、職種(術科)学校における成績でほぼすべて決定します。
- ◎ 教育隊でいい成績をとる
- 〇 職種(術科)学校でいい成績を取る
まず、2曹への昇任のカギを握るのは、3曹任命前の課程が重要です。
部隊に戻って頑張って働いても、この課程成績を覆すのは容易ではありません。それは優秀な人は褒章といった賞状や盾をお土産に部隊に戻ってきます。それだけで色眼鏡ではありませんが、こいつは優秀な奴となり、日常の業務を多少頑張っても人の評価はなかなか覆せません。
まれに、教育隊での成績は良いが仕事させるとポンコツな隊員がいますが、階級はどんどん昇任していきます。こういう人は本当に要領が上手いのか、純粋にお勉強だけは出来るので1曹ぐらいまではとんとん拍子に昇任します。
ただ、階級に応じた職責があるのでそれが幸せなのかは別の話ですね。一般的な会社でも管理職(=幹部)になるより、平社員(=曹士)で自由きままに仕事する方がよいと街頭インタビューでもよく見聞きするので。
結論として・・
早く昇任するには曹教育課程でよい成績をとってください。その後いくら普段の業務で頑張っても階級が早く上がる事はほとんどありません。
昔は10年ぐらい3曹をしていらば大体、2曹に昇任しましたが、最近は定年延長の影響もあってか、なかなか昇任しないのが実情です。
昇任の早い隊員は4年程度、遅ければ号俸が頭打ちしてもなれない隊員もいます。
今は、昔と違って当たり前のことを当たり前にこなすだけでは昇任しづらいようなので、2曹に早く昇任したいのであれば3曹に任命される前の士長の時こそ、3曹になれると浮かれずに、その先を見据えた努力を曹教育課程で見せる必要があります。
2曹から1曹への昇任はどのように決まるのか
2曹への昇任が遅かった隊員も、まだまだ諦めることなかれ!!
中級陸曹教育をはじめ、2曹集合訓練などが行われるようになり、成績がつく陸自の場合は、その順位が色濃く反映されます。空自等では、中堅空曹として必要な資質等について学ぶものの集合訓練では成績はつきません。
逆に言えば、2曹への昇任が早かった隊員はまだまだ頑張らないといけません。ちょっと世知辛い世の中になってきた気もします。
2曹から1曹は定年年齢も変わるので曹昇任の中では最も厳しい昇任レースとなりますが、超絶優秀な隊員であれば約4年ほどで昇進します。遅い隊員は1曹に昇任することなく定年を迎えるでしょう・
1曹から曹長への昇進スピードは?
1曹から曹長への昇任は前述した通り、上級〇曹教育での成績順位で昇任のスピードが決まります。
早ければ、最速の2年、遅い人は曹長になることなく退官します。
最近は普通に1曹の定年がいますし、これから何年もたてば、1曹の定年の方が曹長より多くなることにもなるでしょう。
これは、最終俸給が下がりますので、退職金にも大きく響くことになります。頑張って昇任を目指し、退職後にいい職に就きましょう。
自衛隊の勤務がんばってもあまり給料は増えないので、定年後にいい仕事に就ける様に現役時代には頑張る事をお勧めします。
結論:上級〇曹教育課程でいい成績をとりましょう
自衛隊で働く曹の階級の昇任スピードをまとめた
曹昇任スピードが一目で分かる表を作成してみました、参考にしてください。
何にしろ、昇任のスピードを決めるのは教育隊で行う課程教育です。職種(術科)学校でいい成績とっても、職場で頑張って昇進を上申されても、昇任にはあまり影響しません。
昇進階級 | 参考年数(標準) | 昇任スピードを決める要因 |
2曹へ | 2年~15年(8年) | 初級〇曹課程(共通)、上級特技課程 |
1曹へ | 2年~15年(10年) | 中級〇曹課程 |
曹長へ | 2年~ (8年) | 上級〇曹課程 |

自衛隊幹部の階級は何をもって昇任スピードが決まるのか?
3尉から2尉への昇進はスピードは同じ
3等〇尉から2等〇尉への昇任は全員同じスピードで昇任します。将来3等〇佐で終わる幹部も将官まで昇任する幹部も一律2年で昇任します。まだまだ差がつきませんの偉くなりそうな人には媚を売る必要はないですが、仲が悪くなるようなことが起きないようにしましょう。
1尉以上への昇任は少し差がつく
2尉から1尉への昇任は少しですが差がついてきます。昇任のスピードが速い隊員で4年、遅くとも6年ぐらいで1尉に昇任します。
さてここでは、どんな要因で階級の昇任にさがつくのでしょうか?
幹部候補生学校等(久留米、江田島、奈良)の成績が加味されて昇任のスピードに影響されます
防大出身や一般幹部候補生出身の隊員は20代で1等陸尉になる計算です。
1尉から3佐への昇任は幹部の分かれ目
1尉は仕事的にも一番忙しいかもしれない時期であり、正直自衛官の自殺が一番多い階級でもあります。
ですがここで、頑張れば将来高級幹部にもなれますので頑張りましょう。
1尉になると、幹部の分かれ目である、CGS(CS)、FOC等の試験を受ける事ができます。いずれも合格すれば、自動的に3佐への昇任は確約されたもので、一番早いスピードで昇任するにはCGS、CS(指揮幕僚過程)の試験合格が一番のスピードで3佐への昇任が決まります。
CGS等に合格できない人はFOCに挑戦しますが、こちらも合格すれば3佐に昇任します。
もちろん技術系のTACに合格すれば3佐の昇進が早く決まり、将来の高級幹部が決まります。
早い人で3年くらいで3佐に昇任するはずです
一方FOCにも合格できなかった隊員はいわゆる無印幹部として勤務する事になりますが、この隊員の昇任はどのように決まるでしょうか?
ここでは、AOCの成績はあまり関係ありません。勤務の評価が大きく影響する数少ない箇所だと思います。無印の幹部は一生懸命仕事しましょう、よく考えればよくできたシステムですね。
これで、無印幹部のモチベーションアップにつながれば幸いです。
3佐から2佐への昇任スピードでその後どこまで昇任するかが分かる
CGSやTACを卒業した隊員は1選抜の前期と後期で昇任しなければ、将官への昇任はほぼないといっていいでしょう。
将官になりたければここで1選抜を取るために、それぞれの課程(CGS、TAC)で成績上位を目指しましょう。
成績上位であればいづれAGSに選抜されて方面の運用ができるようになり、将官も見えてきます。
1選抜で4年程度で2佐に昇進します。
無印幹部は勤務評定が良ければ2佐にも昇任できます。スピードが早くても6年近くかかりますが頑張って2佐まで昇任しましょう。
一般幹部候補生や防衛大学校から入隊しても3佐で終わる隊員もいます。まーそれも人生でしょう、自衛隊人生は階級がすべてではありません。
2佐から1佐への昇任はこれまでを引き継ぐ
自衛隊で2佐から1佐への昇任は特に大きな変化はありません。これまでの昇任スピードを受け継いでいきますので、ここからは同期内での逆転はほぼできなくなります。
スピードの速い隊員で5年程で1佐に昇任しますが、2佐への昇任が早い隊員がそのまま早いスピードで昇任するイメージです。
1佐以降の昇任のスピードについて
1佐’(三)からの昇任は、何年という表現はあまり適切でないと思いますので、その表現は使わないようにします。
1佐(一)からは補職に階級がついてきます。陸幕の課長や方面の部長の補職に就けば1佐の一に昇任するでしょう、師団の連隊長に就く場合も同様に1佐(一)に昇任します。
将補に昇進するときも同様です。方面総監部の副長や副師団長、旅団長、団長に就くときに昇進します。
昇任のスピードはポストが空いた時に、それまでの成績やその後の昇任も見据えてポストに就けていくので、なかなかこれが正解と言う説明の仕方はありません。昇任のスピードが速い優秀な隊員であれば40歳で1佐(三)、そして40代中盤から後半で1佐(一)に昇任します。
自衛隊における階級の昇任スピードまとめ
今回の記事で昇任のスピードがどのように決まっているか分かりましたか?
基本的には
課程教育に入校している時の成績
ほぼこの一択です。
通常の勤務を一生懸命頑張っていても昇任のスピードが大きく変わる事はありません。
逆に云うと、入校の時の成績さえよければ、普段の仕事であまり評判がよくなくても昇進に影響する事はあまりなく、仕事ができない自衛官でも昇任だけは早い自衛官も結構いるという事になります。
※注意(免責事項)※
本記事は現役時(陸自)の記憶をもとに記載しております。最新の昇任査定や海自・空自で多少異なる可能性があります。現役の方が切に昇任を熱望する場合は、身近にいる人事職の方に色々と話を伺うか、自分で調べてください。基本的なシステムはこの記事から大きく変わらないという認識です。