2026年1月、皆さんの口座に振り込まれた「謎の増額分」。これは給与法改正に伴う「遡及支給(差額分)」です。
簡単に言えば、「本来4月から貰えるはずだった昇給分を、まとめて払いますよ」というお金ですね。
金額にして15万〜30万円程度。ちょっとしたボーナス並みの金額です。
このお金を「ラッキー!」と散財してしまうか、「種銭(たねせん)」として有効活用するか。
ここで皆さんの金融リテラシーが試されます。
先生が考える、年代別の「最強の使い道」を伝授しましょう。
- 臨時収入を生活費に組み込まない:これは「なかったもの」として扱いなさい。
- 若者は「体験」と「スキル」に:20代の投資効果は「株」より「自分」が高い。
- 中堅以降は「資産」に:複利の力と非課税制度(NISA)をフル活用せよ。
【20代以下】未来の自分へ投資せよ!
20代の皆さん、まずはこの言葉を刻んでください。
「20代の15万円を株に入れても、30年後に30万円にしかならないが、自分に投資すれば年収が100万円上がる可能性がある」
若い今の時期、この臨時収入を全額NISAに入れるのは、実は少しもったいないんです。
なぜなら、皆さん自身の「人的資本(稼ぐ力)」を伸ばす方が、リターンが圧倒的に大きいからです。
① 外の世界を見る「旅」に出る
営内(寮)と演習場の往復だけで人生を終わらせないでください。
このお金で、今まで行ったことのない場所へ行きなさい。できれば海外、無理なら国内の遠方へ。
異なる文化や価値観に触れることは、将来、幹部や曹として部下を指導する際の「器の大きさ」に直結します。
② 「見た目」と「健康」への投資(医療脱毛・歯列矯正)
これは自衛官特有のおすすめです。
医療脱毛(ヒゲ脱毛):毎朝のヒゲ剃り時間がなくなり、肌荒れも防げます。演習中の衛生面でも最強です。
歯のメンテナンス:歯は一生モノです。親知らずの抜歯や、クリーニングにお金をかけましょう。
これらは「浪費」ではなく、将来の時間と健康を買う「投資」です。
③ 資格・スキルの習得
大型免許などは自衛隊で取れますが、「英語(TOEIC)」「簿記」「FP(ファイナンシャルプランナー)」などの教材や受験料に使いましょう。
自衛隊の中にいると視野が狭くなりがちです。外の世界でも通用するスキルを持っておくことは、心の余裕に繋がります。
もちろん、パチンコや風俗で溶かすのは論外ですよ! それは「投資」ではなく「ドブ捨て」です。
どうしても欲しいガジェット(PCやiPad)があるなら、それを使って「何かを学ぶ」ならOKです。
【30代】資産形成の「基礎工事」を完了せよ
30代になると、結婚、出産、マイホーム…と、ライフイベントでお金が飛ぶように出ていきます。
だからこそ、この臨時収入は「将来のための種まき」に使わなければなりません。
① 生活防衛資金はあるか?
まず、何かあった時の貯金(生活費の3〜6ヶ月分)はありますか?
もし無いなら、今回の支給額は全額「定期預金(共済貯金)」へ。これが最優先です。
② 「オルカン」か「S&P500」を買う
貯金があるなら、迷わず新NISAの「成長投資枠」を使いましょう。
つみたて枠で毎月やっている人も多いと思いますが、この臨時収入は成長投資枠でスポット購入(一括投資)するのが正解です。
買う商品は、普段積み立てているのと同じ「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「S&P500」でOK。
変に個別株や暗号資産(仮想通貨)に手を出してはいけません。30代は「時間を味方につける」運用を徹底してください。
③ 家族への還元(マイクロ配当)
全額投資に回すと、奥さん(旦那さん)から不満が出るかもしれません。
支給額の1割〜2割(3万〜5万)程度は、家族での外食や旅行に使って「思い出」に変えましょう。
家庭円満こそが、最強の資産防衛です。
【40代】ラストスパートに向けた「守りと攻め」
40代は、給料も上がりますが、子供の教育費や親の介護など、出費のピークを迎えます。
そして、自衛官の早い定年(50代半ば)が現実味を帯びてくる時期です。
この世代のテーマは「負債の圧縮」と「老後資金の加速」です。
① 住宅ローンの「繰り上げ返済」か「投資」か
住宅ローンがある場合、金利を確認してください。
金利が低い(1%以下)場合:繰り上げ返済せず、全額NISAへ投資した方が効率が良いです。
金利が高い(変動で上がってきた)場合:この臨時収入で繰り上げ返済を行い、月々の負担や総支払額を減らすのも賢い選択です。
② NISAの「埋め合わせ」
新NISAの生涯投資枠(1800万円)は埋まっていますか?
40代からでも遅くありません。今回の15万〜30万を投入することで、定年退職時の資産額が大きく変わります。
特に自衛官は退職金が出るのが早いので、それまでの「つなぎ資金」を自分作っておく必要があります。
③ 「人間ドック」のアップグレード
40代を過ぎると、体のガタが来ます。自衛隊の身体検査だけでは見つからない病気もあります。
このお金の一部を使って、脳ドックや大腸カメラなど、普段やらないオプション検査を受けてください。
病気で働けなくなることが、最大のファイナンシャル・リスクです。
【50代】定年後の「着陸態勢」を整える
自衛官の50代は、もう「出口戦略」の時期です。
定年退職後、再就職した際の給与激減(現役時代の5〜6割)に備える必要があります。
この臨時収入は、リスクを取って増やすよりも「守る」あるいは「次のキャリアへの布石」に使うべきです。
① 借金の完全返済
車のローン、教育ローン、ショッピングのリボ払い…もしあれば、このお金で即座に完済してください。
定年後に借金を持ち越すのは絶対にNGです。
② セカンドキャリアのための「学び直し」
再就職援護の枠組みだけでなく、自分で稼げるスキルを身につけるための費用にしましょう。
行政書士、マンション管理士、あるいは趣味を実益にするためのスクール費用など。
「元自衛官」という肩書きだけでなく、プラスアルファの武器を持つために使ってください。
③ 個人向け国債や高配当株へのシフト
NISAを使うにしても、変動の激しい成長株よりは、手堅い「高配当株ファンド」や、元本割れリスクの低い「個人向け国債(変動10)」などを検討しても良い時期です。
「増やす」よりも「減らさない」ことを意識しましょう。
本日のまとめ:お金は「目的」ではなく「手段」
今回の人事院勧告による追加支給は、皆さんが日々、過酷な任務を遂行し、国を守ってきたことへの対価です。
だからこそ、一瞬の快楽で消してしまうのではなく、「未来の自分や家族を助ける力」に変えてほしいのです。
- 20代:自分を磨け。(旅、美容、スキル)
- 30代:資産を育てろ。(NISA一括投資)
- 40代:地盤を固めろ。(ローン検討、健康投資)
- 50代:出口に備えろ。(借金返済、再就職準備)
15万円あれば、世界が変わる本が100冊買えます。
30万円を年利5%で20年運用すれば、約80万円になります。
「たかが数万、数十万」と思わず、このお金を大切に扱ってください。
お金を大切にする隊員は、装備品も大切にし、部下も大切にできるはずです。
それでは、解散! 無駄遣いするなよ!