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【目指せ予報官】ゼロから合格を目指す、気象予報士試験対策

みなさん、こんにちは。「気象予報士」という難関資格に挑戦しようというその意気込み、素晴らしいですね。
合格率わずか4〜5%。この数字を見て尻込みしてしまう人もいますが、決して「選ばれた天才」しか受からない試験ではありません。
正しい戦略、正しい努力、そして折れない心があれば、知識ゼロからでも合格の扉は開かれます。

今回は、通常1年はかかると言われる学習期間をギュッと凝縮し、「半年(6ヶ月)でゼロから一発合格」するための特別カリキュラムを作成しました。
正直に言います。この半年間は、受験生のような生活になります。平日3時間、休日6〜8時間の勉強時間を確保する覚悟はありますか?

その覚悟があるなら、私が最短ルートを案内しましょう。
さあ、天気図の向こう側にある「合格」を目指して、授業を始めますよ!

本カリキュラムの基本方針
  • 目標:6ヶ月後の試験で「学科一般」「学科専門」「実技」の完全合格を目指す。
  • 前提:気象学の知識はゼロ(文系出身でも可)。
  • 戦略:最初の3ヶ月で「学科」を完璧にし、後半3ヶ月を「実技」という名の"翻訳作業"に捧げる。

序章:敵を知る(試験の構造と合格基準)

走り出す前に、ゴールの位置を確認しましょう。
気象予報士試験は、大きく分けて3つの関門があります。

科目 内容 合格基準(目安)
学科(一般知識) 気象学の基礎、物理法則、法律。
(マークシート 15問)
15問中11問以上
学科(専門知識) 観測技術、予報の仕組み、防災情報。
(マークシート 15問)
15問中11問以上
実技試験 天気図解析、予報文作成。
(記述式 75分×2科目)
総得点の70%以上

この試験の最大の特徴は、「学科に受からないと、実技は採点すらしてもらえない」という点です。
そして、本当の地獄は「実技試験」にあります。学科はあくまで「参加資格」を得るための予選。本番は実技です。
この6ヶ月計画では、いかに早く学科をクリアし、実技対策に時間を割けるかが勝負の分かれ目になります。

第1フェーズ:基礎固め(1ヶ月目〜1.5ヶ月目)

「学科・一般知識」の攻略 〜物理アレルギーを克服せよ〜

最初の1ヶ月が一番苦しい時期です。「断熱膨張」「コリオリ力」「静力学平衡」…。聞き慣れない物理用語のシャワーを浴びることになります。
文系の皆さんはここで心が折れそうになるかもしれませんが、安心してください。「数式の導出」ができなくても、「数式の意味」が分かれば合格できます。

【1ヶ月目の学習メニュー】

  1. 入門書を1週間で読む:
    まずは『イラスト図解』系の簡単な本を1冊、さらっと読みましょう。細かい計算は飛ばしてOK。「高気圧からは風が吹き出す」「雲はどうやってできるのか」というイメージを掴むことが目的です。
  2. 「一般知識」の参考書を精読:
    ここからが本番です。定番の『一般気象学(小倉義光著)』は初学者には難しすぎるので、最初は『らくらく突破』シリーズなどの受験対策本を使いましょう。
  3. 3つの神器を理解する:
    以下の3つは試験の心臓部です。徹底的に理解してください。
    ・熱力学:空気が上昇すると温度が下がる仕組み(エマグラムの基礎)。
    ・力学:風が吹く仕組み(気圧傾度力、コリオリ力、遠心力、摩擦力)。
    ・法規:気象業務法、災害対策基本法。これは暗記だけで点が取れるボーナスステージです。
先生からのアドバイス:
計算問題で詰まったら、一旦飛ばして先に進みましょう。気象予報士試験の計算はパターンが決まっています。深入りしすぎて時間を浪費しないように!

第2フェーズ:知識の装填(1.5ヶ月目〜2.5ヶ月目)

「学科・専門知識」の攻略 〜現場の武器を知る〜

一般知識で「空の理屈」を学んだら、次は「プロの道具」を学びます。
気象衛星ひまわり、アメダス、数値予報、そして防災情報。これらは実技試験に直結する重要なパートです。

【2ヶ月目の学習メニュー】

  1. 数値予報と衛星画像:
    「可視画像」と「赤外画像」の違い、これだけは絶対に間違えないように。雲の白さが何を表しているのか(厚さなのか、温度なのか)、瞬時に判断できるようにします。
  2. 防災情報の暗記:
    警報・注意報の発表基準、台風の強さと大きさの階級、特別警報の定義。これらは知っているか知らないかだけの世界です。単語帳を作って、隙間時間に叩き込みましょう。
  3. 過去問(学科)を回し始める:
    この段階で、学科試験の過去問に着手します。まずは直近5年分。間違えた問題は解説を読み込み、「なぜ間違えたか」をノートにまとめます。

第3フェーズ:分水嶺(2.5ヶ月目〜3ヶ月目)

学科完全攻略と実技への助走

折り返し地点です。ここで一度、学科(一般・専門)の模擬試験をやってみましょう。
目標は「安定して11点以上取れること」。もし10点以下なら、実技に進んではいけません。急がば回れ、基礎の穴を埋めてください。

学科が安定してきたら、いよいよ実技の入口に立ちます。
実技試験は「お絵かき」と「作文」です。まずは道具を揃えましょう。

実技試験の必須アイテム
  • コンパス(デバイダ):距離を測るために必須。
  • 定規(30cm):透明なものがベスト。
  • 色鉛筆・マーカー:前線解析の練習に使います。
  • トレーシングペーパー:天気図を写して練習するために使います。

第4フェーズ:実技の洗礼(3ヶ月目〜4.5ヶ月目)

「天気図」を読み解く文法を学ぶ

ここからが本当の戦いです。実技試験は、膨大な資料(天気図、衛星画像、断面図など)を75分で読み解き、記述する試験です。
最初は全く時間が足りないはずです。「これ、本当に75分で終わるの?」と絶望するかもしれません。でも、それが普通です。

【4ヶ月目の学習メニュー】

  1. 実技の「型」を覚える:
    実技試験の記述には「型」があります。「〜トラフが接近し、暖湿気が流入するため」「〜等圧線の間隔が狭くなり、気圧傾度力が大きくなるため」。こうした定型句(合格フレーズ)をひたすら覚えます。
  2. 前線解析の練習:
    天気図を見て、前線を引く練習です。閉塞点を見つける、等温線(850hPaの等相当温位線)を参考にするなど、手順を身体に染み込ませます。
  3. エマグラムの完全理解:
    「状態曲線(エマグラム)」は、大気の状態(安定・不安定)や雲の発生高度を知るための最強のツールです。SSI(ショワルター安定指数)の計算や、LCL(持ち上げ凝結高度)の求め方をマスターしましょう。

第5フェーズ:実戦演習(4.5ヶ月目〜5.5ヶ月目)

過去問という名の「千本ノック」

知識はつきました。あとはスピードと精度の勝負です。
過去問を最低でも10年分(20回分×2科目=40試験分)、徹底的に解きます。

【5ヶ月目のトレーニング】

  • 時間を計る(マイナス5分):
    本番は緊張で思考停止する時間があります。練習では「70分」で完答できるように訓練してください。
  • 記述の文字数感覚を養う:
    「35字以内で述べよ」と言われたら、パッと35字程度の文章が頭に浮かぶように訓練します。句読点を含めた文字数感覚は、書いて覚えるしかありません。
  • 「見落とし」を記録する:
    「強風軸を見落とした」「トラフの位置を読み間違えた」。自分のミスの傾向をノートに記録し、試験直前に見返せる「ミス撲滅ノート」を作ります。

第6フェーズ:最終調整(5.5ヶ月目〜試験当日)

合格を確実にするための総仕上げ

残り2週間。新しいことには手を出さず、今まで解いた過去問の復習と、体調管理に努めます。

【直前2週間の過ごし方】

  • 模擬試験形式でのリハーサル:
    朝から試験本番と同じスケジュールで過去問を解きます。昼食のタイミングや、集中力の持続時間をシミュレーションします。
  • 法規・定数の再確認:
    学科の「法規」や、専門知識の「数値(警報基準など)」は、忘れている可能性があります。最後の詰め込みを行います。
  • 筆記用具の予備確認:
    コンパスの芯、鉛筆の削り具合。些細なトラブルが命取りになります。
先生からの最後の檄:
実技試験中、頭が真っ白になる瞬間があるかもしれません。
そんな時は、大きく深呼吸をして「図」を見てください。答えはすべて天気図の中に書いてあります。
決して諦めず、最後の1秒まで鉛筆を動かし続けた人だけに、合格通知は届きます。

総括:6ヶ月間のスケジュール一覧

ゼロから合格!6ヶ月カレンダー
メインテーマ 到達目標
1ヶ月目 学科(一般) 大気の熱力学・力学の基礎理解。
参考書を1周読み終える。
2ヶ月目 学科(専門) 衛星画像の見方、数値予報、防災情報の暗記。
学科過去問に着手。
3ヶ月目 学科完成&実技入門 学科試験で安定して11点以上。
実技の基礎知識(天気図記号など)習得。
4ヶ月目 実技基礎 前線解析、エマグラム解析の習得。
記述解答の「定型句」を暗記。
5ヶ月目 実技演習 過去問10年分を解く。
時間配分(75分)の感覚を掴む。
6ヶ月目 総仕上げ 模擬試験によるリハーサル。
弱点補強と体調管理。

半年間、このスケジュールを完遂するのは並大抵のことではありません。
友人との遊び、趣味の時間、睡眠時間…何かを犠牲にする場面もあるでしょう。
しかし、その先には「気象予報士」という一生モノの資格と、空を見る目が変わる素晴らしい世界が待っています。

天気図は、地球からの手紙です。
半年後、皆さんがその手紙を読み解き、誰かの命や生活を守る予報士になっていることを、心から信じています。

さあ、まずは最初の一冊を手に取ることから始めましょう。
健闘を祈ります!

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