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【入隊予定者へ】お金に関する知識を学ぼう!!

この春、自衛官もしくは学生・生徒として入隊する皆さん。
まずは、その大きな決断に心からの拍手を送ります。合格おめでとうございます。そして、ようこそ自衛隊へ。

皆さんはこれから、厳しい訓練を乗り越え、立派な自衛官として成長していくことでしょう。
ですが、今日は訓練のことではなく、皆さんの人生にとって非常に大切な「お金」の話をさせてください。

実は、入隊直後から皆さんには「お金との戦い」が待っています。
18歳〜22歳という若さで、衣食住が保証され、毎月決まったお給料が入る…これは素晴らしいことですが、同時に「知識がないと損をしてしまう」危険な状態でもあるんです。

残念ながら、知識がないばかりに「不要な保険」「高金利のローン」で苦労し、30代になっても貯金ができない先輩たちをたくさん見てきました。

この授業では、皆さんが将来「保険貧乏」にならず、若さを武器にしてしっかり資産を作るための「お金の守り方・増やし方」を教えます。
教育隊では詳しく教えてくれないかもしれませんが、人生において絶対に役立つ知識ですよ。

今日の授業の目標
  • 民間保険の勧誘に流されず、自分に必要なものだけを選ぶ力をつける。
  • 自衛官だけの特権「団体生命保険」と、国の制度「NISA」の仕組みを理解する。
  • 入隊5年で、同期と大きな差をつける「お金の基礎体力」を身につける。

1限目:「保険貧乏」にならないための防御策

教育期間が終わる頃や、部隊に配属された直後、皆さんの周りに「保険会社の外交員さん(生保レディ)」が訪ねてくることがあります。
とても親切で、優しく話を聞いてくれるかもしれません。でも、先生としてこれだけは伝えておきます。

彼女たちが勧める「パッケージ型保険」に、その場ですぐサインをしてはいけませんよ。

① 独身の皆さんに「死亡保障3000万円」は必要でしょうか?

よくこんな風に勧められることがあります。
「自衛隊は大変なお仕事だから、万が一のために備えましょう。このプランなら3000万円おりますし、満期にはお金も戻ってきますよ!」

少し冷静になって考えてみましょう。皆さんは今、独身ですよね。
もし皆さんに万が一のことがあったとして、3000万円もの大金を残さなければ生活ができなくなる「扶養家族(奥さんやお子さん)」はいますか?

  • まだいませんよね。ご両親は悲しまれるでしょうが、お金に困って路頭に迷うわけではないはずです。
  • 自分のお葬式代などの整理資金(300万〜500万程度)があれば十分なんです。
  • その過剰な保障のために、毎月1万5000円〜2万円もの保険料を払うのは、少しもったいないと思いませんか?

② 「貯蓄型保険」は実は効率が良くないんです

「掛け捨てだともったいないから、積み立てタイプにしましょう。銀行より増えますよ」
これもよくある誘い文句です。でも、日本の民間保険会社の「貯蓄型保険」は、手数料が高めに設定されています。
増えるといってもほんの少しですし、途中で解約すると元本割れ(払った額より戻る額が少なくなる)してしまいます。何より、後でお話しする「NISA」の方が、資産を増やす力は圧倒的に高いんです。

③ 正解は「防衛省団体生命保険」です

では、保険に全く入らなくていいのかというと、そうではありません。
自衛官の皆さんには、素晴らしい福利厚生が用意されています。それが「防衛省団体生命保険」です。

比較項目 民間保険会社のパッケージ 防衛省団体生命保険
月額保険料 15,000円 〜 20,000円 数千円(とても安いです)
内容 色々な特約がついて複雑
(手数料が高い)
死亡・高度障害に特化した
シンプルな掛け捨て
還付金
(配当金)
ほとんどなし 約30%〜40%が戻ってきます
(実質負担はさらに安くなります)
結論 注意が必要です コストパフォーマンス最強

【先生からのアドバイス】
独身の若いうちは、民間の高額な保険は必要ありません。「団体生命保険」の最低限の口数(10口〜20口程度)と、「団体医療保険」だけで十分守りは固められます。
浮いた月1万5000円は、すべて将来のための投資(NISA)に回しましょう。

2限目:18歳から始める「新NISA」活用術

保険で無駄な出費を抑えたら、次は資産を増やす勉強です。
「投資なんてギャンブルみたいで怖い」と思うかもしれませんね。でも、今の時代、「日本円だけで銀行に預けておくこと」もリスクの一つなんです。
物の値段が上がっていくインフレの時代では、現金の価値は相対的に下がってしまいます。

① なぜ「今」やるべき? 「複利」という魔法

投資には「時間を味方につける」という必勝法があります。
同じ金額を積み立てても、「20歳から始めた人」と「30歳から始めた人」では、60歳になった時の資産額に数千万円の差がつくことだってあるんです。

利子が利子を生んで雪だるま式に増えていく「複利効果」は、期間が長ければ長いほど大きな力を発揮します。
18歳〜22歳の皆さんは、この「時間」という最強の武器を持っているんですよ。これはお金では買えません。

② 新NISA(つみたて投資枠)の始め方

難しく考える必要はありません。以下の設定を「給与振込口座」から自動引き落としにするだけでOKです。

  • 制度:新NISA(つみたて投資枠)を使います。
  • 証券会社:ネット証券がおすすめです(楽天証券 や SBI証券など)。
    ※銀行や郵便局の窓口に行くと、手数料の高い商品を勧められることがあるので注意しましょう。スマホで開設できますよ。
  • 購入商品:「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」または「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」といった、手数料の安い投資信託を選びましょう。
  • 金額:月3万円 〜 5万円(無理のない範囲で大丈夫です)

これを設定したら、あとは「忘れてしまうこと」がコツです。株価が上がっても下がっても気にせず、毎月淡々と買い続ける。
これが、歴史が証明した「負けない投資法(ドルコスト平均法)」なんですよ。

③ 防衛省共済貯金も便利ですよ

もし投資がどうしても怖い、あるいは数年以内に車を買いたいなどの予定がある場合は、NISAではなく「防衛省共済組合の貯金事業」を活用しましょう。
一般の銀行の金利がとても低い時代に、共済貯金は比較的高い金利設定になっていることが多いです。
お給料から天引き(定額積立)にしておけば、知らず知らずのうちにお金が貯まっていきます。

3限目:営内生活は「資産形成のボーナスタイム」

多くの若い隊員さんが「早く営内(寮)を出て一人暮らししたい」と言います。その気持ち、よく分かります。
でも、お金の面から見れば、営内生活は「家賃0円、光熱費0円、食費0円」という、奇跡のようなボーナスタイムなんです。

① コンビニと自販機を少し我慢してみよう

営内生活での敵は「ちょっとした浪費」です。
売店(PX)でのお菓子、毎晩のコンビニ弁当、訓練後の自販機ジュース。これら数百円の積み重ねが、月数万円のお小遣いを消してしまいます。

食堂のご飯は無料です。栄養バランスも考えられていますから、しっかり食べましょう。それは「お給料の一部」だと思ってください。
水筒を持参するだけでも、月5000円は浮きます。その5000円を投資に回せば、将来大きな金額になりますよ。

② 「車」を買うときは慎重に

部隊に行くと、先輩たちがかっこいい車(アルファードやレクサスなど)に乗っているのを見て、羨ましくなることでしょう。
でも、新隊員がいきなり「残価設定ローン(フルローン)」で新車を買うのは、あまりおすすめできません。

【先生からの注意点】残クレの落とし穴
「月々3万円で高級車に乗れる!」という広告を見かけますが、仕組みをよく理解してください。
それは支払いを先送りにしているだけで、金利を含めると総額では車の価格の1.5倍近くを払うことになるケースもあります。
最初の車は、先輩から安く譲ってもらうか、中古のコンパクトカーで十分です。
見栄を張る必要はありません。車は見栄ですが、NISA口座の残高はあなたの「実力」になりますよ。

ホームルーム:まとめ・これからの計画

最後に、入隊から5年間の「理想的なお金の計画」をまとめておきますね。

  1. 入隊1年目:
    民間保険には慌てて入らない。「団体生命保険」のみ加入。
    ネット証券の口座を開設してみる。
    お給料の余りは「共済貯金」に入れ、まずは何かあっても大丈夫な貯金(100万円)を作る。
  2. 入隊2年目:
    貯金ができたら、新NISAをスタート。
    月3万円〜5万円を投資信託に積立設定。
    無駄な浪費やギャンブルには近づかないようにしましょう。
  3. 入隊3年目以降:
    昇任してお給料が上がっても、生活レベルを上げずに「投資額」を増やす。
    車を買うなら、貯めた共済貯金から一括で買う(ローンは組まないのが理想です)。
  4. 結婚・幹部昇任などの節目:
    守るべきご家族ができたら、初めて「掛け捨ての死亡保険(収入保障保険など)」を追加で検討しましょう。

自衛官というお仕事は尊いですが、定年は一般企業より早め(50代半ば)です。
若いうちからお金の知識を身につけ、しっかり資産を作っておけば、定年後の再就職も、あるいは早期退職して自由に暮らすことも、皆さんの選択次第で可能になります。

「お金がない」という不安は、判断力を鈍らせ、心の余裕を奪ってしまいます。
強靭な肉体と共に、しっかりとした資産も築いてください。
それが、皆さん自身と、未来のご家族を守るための「最大の防衛力」になるはずです。

皆さんのこれからの活躍を、心から応援しています。

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