空自OBの実力
〜すしざんまい社長の原点〜
航空自衛隊が制作した再就職支援CMに、「すしざんまい」の木村清社長が起用され話題となっています。元自衛官である木村社長の歩みと、なぜ今、企業が「空自OB」を欲しがるのか。その理由を深掘りします。ちなみに、木村社長はいわゆる高等工科学校出身であり、前身で言うと木村社長は航空自衛隊生徒、私は少年工科学校です。自衛隊の定員割れが続くので定年後のサポートが充実していれば入隊者の拡充にもつながると思います。
1. 木村清社長の「航空自衛官時代」
「マグロ大王」として知られる木村社長ですが、その不屈の精神と行動力の原点は、10代で飛び込んだ航空自衛隊での日々にありました。
航空自衛隊 第4術科学校生徒隊に入隊。
中学校を卒業してすぐ、「パイロットになりたい」という夢を抱き入隊。第4術科学校(埼玉県熊谷基地)は、通信や電子機器などの専門教育を行う機関です。ここで徹底的な規律と基礎教育を叩き込まれました。
10代の多感な時期を、厳しい訓練と集団生活の中で過ごしました。木村社長は動画内で「僕の原点は自衛隊」と語っており、現在のビジネスにおける即断即決やリーダーシップの基礎がこの時期に育まれました。
航空自衛隊を退官。
その後、いくつかの事業を経て1985年に喜代村を設立。2001年に築地場外市場に「すしざんまい本店」をオープンさせました。
2. 企業が語る「空自OB」採用のメリット
航空自衛隊では、若年定年制(50代半ば)や任期制(20〜30代)により、働き盛りの人材が多く社会に出ます。企業の人事担当者が評価する具体的なポイントは以下の通りです。
部隊の指揮や計画立案を行ってきた幹部自衛官は、組織マネジメントのプロです。広い視野で物事を判断し、部下を統率する能力に長けているため、民間企業でも即戦力の管理職やプロジェクトマネージャーとして活躍しています。
現場での実務経験が豊富なベテラン層です。若手隊員の指導や、複雑な任務の進行管理を行ってきた経験から、現場のグループリーダーや監督者として高い信頼を得ています。責任感が強く、最後までやり遂げる「実行力」が評価されています。
21歳から35歳前後で退職する若手隊員は、基礎体力が高いだけでなく、挨拶や時間厳守といった社会人としての基本動作(規律)が身についています。また、航空機の整備や通信など、専門的な技術を持っている隊員も多く、技術職や営業職など幅広い分野でポテンシャルを発揮します。
まとめ
木村社長が「自らの基礎は自衛隊時代に育まれた」と語るように、自衛隊で培われる「責任感」「指導力」「実行力」は、業種を問わず民間企業が最も求めている資質です。
このCMは、単なる再就職支援にとどまらず、自衛隊という組織が「人を育てる場所」としても優れていることを証明しています。