統合作戦司令部という新しい部隊が令和7年(2025年)3月24日(月)、防衛省・自衛隊に新編されました。
この統合作戦司令部をお話しする前に、以前からあった統合任務部隊について簡単に説明したいと思います。
自衛隊における「統合任務部隊(Joint Task Force, JTF)」は、陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊の各部隊を統合して編成される、特定の任務に対応する臨時の部隊です。これは、防衛省・統合幕僚監部の指揮のもと、迅速かつ効果的に任務を遂行するための組織形態です。
自衛隊の「統合任務部隊」概要
🔹 主な目的
- 大規模災害への対応
- 国際平和協力活動
- 弾道ミサイル対処や有事対応
- 国民保護関連任務(テロ・大規模事案)
🧭 統合任務部隊の編成・特徴
項目 | 内容 |
---|---|
指揮系統 | 統合幕僚監部長 → 統合任務部隊指揮官(JTF Commander) |
構成部隊 | 陸・海・空の部隊+必要に応じて防衛医科大学校、情報本部など |
任務 | 臨時・緊急の特定任務(災害派遣、国際協力、ミサイル対処など) |
期間 | 任務が完了するまでの一時的な編成が基本 |
指揮官 | 主に陸将・海将・空将クラスが任命される |
🧯 実例:自衛隊の統合任務部隊
① 東日本大震災(2011年)
- 名称:統合任務部隊 東北
- 規模:約10万人(最大)
- 内容:被災者救助、物資輸送、遺体捜索、除染支援など
- 特徴:米軍との協力(トモダチ作戦)も実施
② 北朝鮮のミサイル発射対処
- 弾道ミサイル警戒・迎撃任務において、統合運用態勢を構築。
- PAC-3部隊、イージス艦、航空自衛隊の警戒部隊などを一元的に指揮
③ 国際緊急援助活動
- 例:2013年フィリピン台風「ハイエン」被害対応
- 「統合任務部隊」を編成し、自衛隊が人道支援・医療活動・給水支援などを実施
🔄 統合任務部隊と「統合機動防衛力」
- 自衛隊は現在「統合機動防衛力」を推進中。
- 陸・海・空の連携を強化し、統合任務部隊の常設的な運用も視野に入れている。