2次試験対策

2次試験の対策について、以下にまとめました。一通り対策を書いていますが、受験種目によっては不要な対策もありますので、皆様の受験種目にあったものを選んで読んでください。

身体検査の内容と対策

【内容】
自衛隊の身体検査だからといって特別なことはあまりありません。検査項目は身体測定(身長、体重、腹囲、BMI指数)、歯科検診、尿検査、肺活量、四肢運動、胸部レントゲン、血液検査、問診(既往歴の確認など)です。

【対策】


【全般】
身長や体重は募集要項に書いてある通り、均衡していれば問題ありません。また、従来は胸囲だったのですが最近ではメタボリックシンドロームの影響あってか、腹囲を計測しております。極度に腹周りに脂肪が付いている人はランニングなどをしてお腹を引き締めましょう。このランニングは肺活量の測定対策になります。四肢運動は日常の生活が何不自由なく出来ていれば問題ありません。ちょっとした、体操を行なうだけです。また、胸部のレントゲンや問診は対策のしようがありませんので、ありのままで検査に臨んでください。

【歯科検診】
次に歯科検診ですが、2次試験を受験している時に虫歯が発見されても不合格になることはなく、合格までに治療すれば全く問題ありません。しかし、虫歯は普段の生活からゼロの方がいいに決まっているので2次試験前に歯科医に1度行くことをお勧めします。

【尿検査】
尿検査は前日から注意が必要です。タンパクや糖が高い値で出ると不合格になる可能性があります。したがって、前日は早い段階で夕食を済ませ、それ以降は試験当日の朝を含め水のみを摂取するようにするといいでしょう。多少の空腹感はあると思いますが、尿検査に少しでも心配のある方は実施してみてください。しかし、極度に我慢する必要はないので無理はしないで下さい。


【血液検査】
血液検査については、血中の白血球や赤血球の数などを調べたり、性病の有無を検査しています。まず、余程のことがない限り血中成分(白血球数など)では不合格になることは少ないです。ただし、性病に関しては不合格になる可能性があるので心当たりのある方は事前に泌尿器科などに通院して処置してもらうようにしましょう。

航空身体検査について(航空学生限定)

【内容】
航空身体検査は通常の身体検査に加えて実施されます。追加されるものは、視力(深視力、斜位、視野など)、血圧、心電図、頭部レントゲン、耳抜き、平衡感覚(簡単な体操)、脳波検査です。

【対策】
脳波検査をはじめ、心電図や頭部のレントゲンについては対策のしようがありません。しかし、これらの検査では余程の異常値でない限りは不合格にはならないので心配せず、リラックスして検査に臨んでください。

対策出来るものの代表的なものは平衡感覚です。
この平衡感覚は目を閉じた状態で片足立ちを30秒実施します。練習しているのと、当日いきなりするのでは全く違いますので是非、練習して行ってください。視力については、直前ですぐにどうこう出来ないので日頃からしっかりとケアして下さい。

視力に関して念のために書きますが、航空身体検査においてはレーシック手術やオルソケラトロジーなどを使った視力矯正は認めれておりませんので、これらの方法は用いないでください。

耳抜きは高速でトンネルなどに入ると耳がキーンとして圧迫されるのを唾を飲んだりして、回復させることを調べます。ほとんどの人は問題なく出来ると思いますが、まれに出来ない人もいるようなので日頃から練習してみて下さい。練習方法としては、鼻をつまんで息を吐く感じや、唾を飲みます。ただ、体調にもよるらしいので直前に風邪などを引かないように気をつけましょう。

※航空身体検査基準(国土交通省)は下記リンクよりご覧ください。

 航空身体検査マニュアル


口述試験の目的

【概要】
口述試験とは、いわゆる面接試験のことです。幹部候補生をはじめ自衛隊の口述試験(以下、面接)は個別面接形式で行われ、3名の面接官により約10分~20分間行ないます。面接では、言葉遣いをはじめ入室要領や態度などの外面的な観察と併せて、質問と解答の流れの中で、常識的なものの見方や考え方が確認されます。

【評価方法】
面接は、言葉遣いや態度など項目ごとに点数が配分され、その合計点に従ってA~Dまでのランクで評価され、 順に「是非、採用したい人物」、「採用したい人物」、「採用しても差支えない人物」、「採用すべきではない人物」という人物評価に区分されます。割合についてはA評価とB評価のみ占有率が定められており、Aが10%、Bが20%でそれ以外の人はほとんどC評価となります。つまり、3人に1人はAまたはB評価がもらえることなのでポイントを押さえ、練習を繰り返せば高評価を得るのはさほど難しくありません。

口述試験の対策

【面接の心得】
面接は好印象の積み重ねが重要です。外見からしっかりとしましょう。

【容貌】

  1. ひげはきちんと剃る、爪もしっかり切るようにしましょう。(無精ひげは減点)
  2. 自然な頭髪の色(茶髪や脱色は減点)
  3. 手入れをした見苦しくない髪形(オシャレを競うところでありません)
  4. 女性はナチュラルメイクまたはすっぴん

【服装】

  1. シミや汚れの付いていないアイロンのかかった制服またはリクルートスーツ
  2. 派手じゃない白系の運動靴もしくは磨かれた黒の皮靴
  3. 女性はストッキング、男性はくるぶし以上ある黒系の靴下着用
  4. 面接の直前には鏡の前でネクタイのゆがみやポケットのふたなどをチェック

【態度】

  1. 入室要領(ドアの開閉)、礼、しっかり腕を振った歩行、申告(受験番号、氏名)
  2. 落ち着いて折り目正しく、節度ある動作を心がけましょう。
  3. ドアの前にたったらグズグズせず入室、入室後はキョロキョロしないようにしましょう。

【姿勢】

  1. 立っているときは、常にかかとを閉じるようにしましょう。
  2. 正しい立姿勢 (あごを引き、背筋を伸ばします。手は体側につけ、かかとは閉じるようにします)
  3. 正しい座姿勢 (あごを引き、背筋を伸ばします。足は肩幅に開き、手は握って膝上に乗せます)
  4. 女性は膝、かかとを閉じ、手は指先を軽く組んで膝上に乗せます

【発表】

  1. 面接官に正対し、しっかりと目を見て話しましょう。
  2. 明るく、大きな声で、ハキハキと話しましょう。
  3. 変な口癖(えー、あのー etc)が出ないように意識して話しましょう。

【予想される質問】


 【導入の段階】

  • 試験会場までの交通手段や基地の印象などが質問がされます。
  • その他にも、導入部分でリラックスさせるための質問がされます。

 【動機の確認】

  • 自衛隊を志望した動機や陸上(海上・航空)を選択した理由。
  • 自衛隊のどこに魅力を感じるのか。
  • 民間のパイロットは考えたことはないのか、またその理由 (一般幹部候補生飛行要員・航空学生)
  • 飛行要員ではなく、一般要員で採用された場合はどうするのか (一般幹部候補生飛行要員)

 【入隊後の抱負】

  • 自衛官になって何をしたいか。
  • どのような将来設計をしているのか。
  • これまでの人生(学校等)で培った経験や特技で自衛隊に活かせるものあるのか。

 【周囲の意見】

  • 自衛隊を受験したことによる家族の反応はどうなのか。
  • どのような点で反対をしているのか。(反対者がいると回答した場合)

 【勤務地や勤務年限】

  • 自衛官として何年ぐらい勤務するつもりなのか。
  • 自衛官は転勤が多いが、転勤が多いことについてどう思うか。また、やっていけるか。
  • 将来、親の面倒は誰が見るのか。

 【志望の順序】

  • 自衛隊以外の進路状況はどうなっているのか。(併願の場合は優先順位)
  • 自衛隊の優先順位が1位の場合はその理由。
  • 自衛隊の優先順位が2位以下の場合、第1志望が不合格になったらどうするか。

 【学業・趣味・特技など】

  • 学校生活で学んだことは何か。
  • 好きな科目や専攻学科はあるか。
  • 趣味や特技はなにか。
  • ボランティア活動はしたことがあるか。また、その理由。
  • 部活動や最近やっているスポーツはあるか。

 【性格や自己PR】

  • 長所と短所を教えて下さい。また、その理由も。
  • 集団生活になるが、集団生活に適応できる自信はあるか。
  • 1分程度で自己PRをしてください。

 【時事問題】

  • 最近、どんなニュースが気になるか。また、その理由。
  • 自衛隊の海外派遣や装備品についてどう思うか。
  • 自衛隊の国際平和協力活動について知っていることがあれば話してください。

ポイント

面接は人なりを観察するものですから、端正な服装・態度と正しい言葉遣いを心がけて下さい。 また、大きな声で明るくハキハキと前向きな積極的な意見や回答、誠意と熱意をアピールして下さい。それが高評価につながります。緊張感についても適度に持ちましょう。過度な緊張は適応力のなさを感じさせ、緊張感のなさは不誠実さを感じさせます。従って、適度な緊張感をもって、真剣さと誠意を感じさせましょう。


知能試験対策

【はじめに】
ここで言う適性試験とは航空学生や看護学生などの2試験で行われる一般的な知能検査(適性試験)についてです。ここでは、試験内容を明確に言えませんが公務員適性試験の参考書などに載っているごく普通の問題です。また、適性試験ではないのですが性格検査というものがあり、これは航空学生の2次試験や曹候補生の1次試験で実施されているものです。内容はY-G性格検査といってあなたの性格を判断するものです。ですから、善し悪しはありません。 素直に思ったことを記入すれば問題ありません。自分を作ろうとするとかえって変な数値がでるので素直に答えて下さい。

【適性試験の一例】
【-1- 四則計算】
 数値のみの四則計算と単位付きの四則計算が出題されます。簡単ですがケアレスミスには注意です。

【-2- 瞬間判断】
 左右に似たような文字や数値があり、同じであれば○(マル)、違うものであれば×(バツ)を付けます。

【-3- 瞬間記憶】
 数字を暗号化(記号)し、暗号の下に本来の数値を入れていきます。速度とケアレスミスに注意です。

【-4- 一般常識】
 一般常識問題です。例えば、神戸市は(港町・国・植物・動物)です、とあるので港町にチェックです。

【-5- 直感判断】
 いろんな形をした図形を正方形になるように線をいれます。時間が非常に短いので直感勝負です。

【対策】
対策としては、公務員の適性試験やSPI問題に関する参考書や問題集をやれば対策は万全と言えます。図形問題などは直感勝負になるので、日頃から直感的判断力を養えるように何事にも注意力をもって取り組んで下さい。


2次試験における論文について

【概要】
小論文の試験が実施されるのは、一般幹部候補生の2次試験です。(防衛大学の推薦は小論文という名の学科試験です。) つまり、これから何が言えるかというと論文は誰にでも書ける内容のものが出題されるということです。何故なら、受験者は一人一人専攻学科が違いますので偏った出題は公平を期しません。従って、誰が見てもそれなりに書けるものが出題されます。

【幹部候補生論文攻略 3つのポイント】
1.誰でも書ける、理解できる論文・・・専門的な知識は不要、常識的な知識で対応
2. 論文の構成はしっかり・・・序論、本論、結論と構成を明確に
3. 文字数も意識すること・・・空白をなくし、極力最後の行まで埋めること

小論文の評価方法

【評価方法】
小論文の評価は、
①文章量、
②内容(テーマを理解しているか、自分の考えが反映されているか)、
③構成(論文構成ができているか)、
④表現力(分かりやすいか)、
⑤文字(丁寧で用語は正しいか)などを
評価対象として、「優」、「良」、「可」、「不可」で採点しています。

【合否基準】
 2次試験のうち点数で評価されるのは「口述試験」と「小論文」ですが、小論文で「不可」と評価された場合には、口述試験の出来に関わらず2次試験が不合格となります。逆に言うと、「不可」以外なら合格するチャンスはあるということですが、「優」や「良」から優先的に採用されますのでしっかりと対策する必要があります。論文で落ちる人も意外といるみたいです。

論文構成について

小論文は作文ではありませんので、論文の体裁をとって書かなければいけません。「序論・本論・結論」の三部構成とするのが、最もシンプルで書きやすいでしょう。三部構成であることを明確にするために、段落はそれぞれの論に1つだけ設け、全体で3つの段落になっていること採点者に主張します。また、全体のバランスを考えて、序論に6~8行、本論に15~17行、結論に4~6行と、あらかじめそれぞれの書く分量を決めておくといいでしょう。