「どんな田舎に住んでいようが、どんなに貧しい家庭だろうが、塾などにもいかずに合格する」
私は約30年前に高等工科学校の前身である、「少年工科学校」に合格しました。
家も貧しかったので公立中学校でしたし、塾もいけませんでした。
たまたま、都市部の書店で自由自在という参考書を手に取り、色々と見ました。
値段は全冊3000円弱(現在は3000円強)と高額でしたが、母に頼み全冊購入し、日夜勉強しました。
その結果、少年工科学校には1発合格、他にも英検2級、漢字検定準2級を田舎の中学3年生である私が合格しました。
『自由自在』は、使い方さえ間違えなければ、高額な塾のカリキュラムや有名講師の授業に匹敵する、いや、それ以上の力を発揮する「最強の独学用参考書」です。
その合格の秘訣を、あなたの後に続く後輩たちに伝えたいという熱いお気持ち、承知いたしました。
なぜ『自由自在』がそこまで強力なのか、その良さを教科別で徹底的に解説します。
総合評価:なぜ『自由自在』だけで合格できるのか
まず教科別に入る前に、なぜこのシリーズが「塾代わり」になるのか、その根本的な理由を説明します。
『自由自在』は、学校で使う「教科書」でも、薄っぺらい「問題集」でもありません。
自由自在は、「中学3年間の全範囲 + 難関高校入試レベル」の知識を網羅した、百科事典(リファレンスブック)です。
- 圧倒的な情報量と網羅性:中学1年の基礎の基礎から、公立トップ校や難関私立・国立高校の入試で出題されるような発展的・応用的内容まで、すべてが1冊に詰まっています。教科書では数行しか触れられていない項目が、何ページにもわたって詳細な図解と共に解説されています。
- 「なぜ?」に答える解説:これが最大の強みです。多くの参考書が「公式はこれ」「答えはこう」と書くだけなのに対し、『自由自在』は「なぜ、この公式が成り立つのか」「なぜ、この歴史的事件が起こったのか」という根本原理(プロセス)を徹底的に解説します。これが、塾で先生が黒板を使って説明する「授業」そのものなのです。
- 完璧な独学(自習)設計:フルカラーの図解、豊富な写真、詳細な資料、比較表。「わからない」を放置させないよう、あらゆる角度から理解を助ける工夫が凝らされています。生徒が一人でページを読み進めるだけで、授業を受けているのと同じ状態になるよう設計されています。
【教科別】超超超詳細:『自由自在』のココが凄い!
高等工科学校の試験突破という観点から、各教科の強みを分析します。
1. 数学 (Mathematics)
数学が苦手な生徒が塾に行く理由は、「解き方の“コツ”や“パターン”を知りたい」からです。『自由自在 数学』は、その「塾の秘伝」をすべて紙面にぶちまけています。
- 強み①:「思考プロセス」の完全可視化例題の解説が異常なほど詳細です。単に「A=B、B=C、よってA=C」と書くのではなく、「まず、問題文のこの部分に着目する。次に、この条件からA=Bという式が立てられる。さらに…」と、正解に至るまでの「頭の中の動き」を文章化しています。これを読み込むだけで、塾講師の思考回路をインストールできます。
- 強み②:図形の証明・関数の「全パターン」網羅高等工科学校の試験でも差がつく「図形の証明」と「関数」。『自由自在』は、入試に出うるほぼ全ての証明パターン、関数の応用問題を網羅しています。「このタイプの問題は、この補助線を引く」「この座標は、こうやって文字で置く」といった、知っているか知らないかで勝負が決まる「解法テクニック」が山のように詰まっています。
- 強み③:単元を超えた「融合問題」への強さ巻末の入試対策ページでは、「関数と図形の融合」「確率と方程式の融合」など、複数の単元を組み合わせた難問を扱っています。独学では対策しにくいこれらの問題の解き方を、基礎から積み上げて解説してくれるため、本番での応用力が鍛え抜かれます。
2. 英語 (English)
独学の最大の敵である「リスニング」と「長文読解」を、これ1冊で克服できる設計になっています。
- 強み①:音声(QRコード)による「耳」の訓練昔は別売りのCDが必要でしたが、今はQRコードですぐにネイティブの音声にアクセスできます。これが塾のリスニング対策講座を丸ごと代替します。 しかも、単なる聞き流しではありません。「この部分はリエゾン(音の連結)が起きている」「この文は、こういう意図で強く発音されている」といった音声学的な解説まであり、独学でのシャドーイング(後追い発音)やディクテーション(書き取り)の質が劇的に上がります。
- 強み②:文法を「理屈」で理解させる構成例えば「現在完了形」を、単に「have + 過去分詞」と覚えさせません。「過去から現在まで“線”で繋がっているイメージ」「“点”である過去形との決定的な違い」を、豊富な図解と例文で徹底的に説明します。なぜこの場面でこの時制を使うのかを理屈で理解できるため、応用が利くようになります。
- 強み③:長文読解の「技術(スキル)」を伝授「長文読解は“慣れ”だ」とよく言われますが、『自由自在』は違います。「まずトピックセンテンス(主題文)を探す」「ディスコースマーカー(but, howeverなど)に注目する」「指示語(it, that)が何を指しているか特定する」といった、長文を論理的に読み解くための「技術」を具体的に教えてくれます。
3. 国語 (Japanese)
多くの受験生が「どう勉強していいかわからない」と放置しがちな国語。『自由自在』は、国語を「論理」と「知識」の2分野に分け、それぞれを科学的に攻略します。
- 強み①:「読解」の解体新書本書の真骨頂です。「筆者の主張はどこにあるか」「なぜ、この選択肢は間違いで、こちらの選択肢が正解なのか」という、答えの「根拠」を徹底的に分析します。感覚やフィーリングではなく、「本文のこの部分にこう書いてあるから、これが正解だ」と論理的に解答を導き出すプロセスを学べます。これは、トップレベルの塾で行われる「読解メソッド」そのものです。
- 強み②:「知識分野」の圧倒的データベース漢字、語彙、慣用句、ことわざ、四字熟語、そして文法(口語・文語)。入試で問われる知識分野が、これでもかという量で収録されています。ここを完璧に暗記するだけで、試験の知識問題で満点を狙えます。特に古典文法(文語)の解説は、単独の参考書レベルの詳しさです。
- 強み③:「記述問題」の書き方講座「〜ということを、◯字以内で説明しなさい」という記述問題の対策が手厚い。「問題文で問われている要素を分解する」「本文中のキーワードを抜き出す」「それらを指定字数に合わせて再構成する」という、「得点になる答案」の作成手順が具体的に学べます。
4. 理科 (Science)
物理・化学・生物・地学の4分野。特に「計算」と「暗記」のバランスが難しい教科ですが、『自由自在』はそれを両立させます。
- 強み①:「百科事典」としてのビジュアル理科はイメージが命です。『自由自在』のフルカラー図解は、他の追随を許しません。生物の体の構造、化学反応のモデル、地層の成り立ち、天体の動き。これらが博物館の展示物レベルの精密なイラストで解説されます。教科書の白黒の図では理解できなかったことが、これを見るだけで「ああ、こういうことか!」と直感的に理解できます。
- 強み②:計算プロセスを「省略せず」解説物理の「力・運動・エネルギー」や、化学の「化学変化と量」。受験生が最もつまずく計算問題の解説が、数学同様に一切の省略をしません。「なぜ、この比の式を立てるのか」「なぜ、この単位に変換する必要があるのか」を、一つひとつ丁寧に説明します。
- 強み③:単元をまたぐ「横断的な知識」「入試ではここが狙われる!」といったコラムが秀逸です。例えば、物理の「電流」と化学の「イオン」を結びつけたり、生物の「光合成」と化学の「気体の発生」を関連づけたりと、単元を横断した深い理解を促します。
5. 社会 (Social Studies)
単なる暗記科目と見せかけて、実は「流れ(因果関係)」と「資料読解」が問われる教科。その両方を完璧にサポートします。
- 強み①:「流れ」で覚える歴史歴史分野は、単なる年表の羅列ではありません。「なぜこの戦争が起きたのか(原因)→戦争の結果どうなったのか(結果)→それが次の時代の何に繋がったのか(影響)」という「歴史の大きな流れ(因果関係)」が、物語を読むように解説されています。これにより、知識が「点」ではなく「線」として記憶に残ります。
- 強み②:最強の「資料集」地理の統計データ、歴史の史料、公民のグラフ。これらが「これでもか」というほど豊富に掲載されています。 近年の入試で重視される「資料読解問題」の対策は、この1冊で十分です。塾で配られる高価な資料集を、丸ごと内包しているようなものです。
- 強み③:圧倒的な「比較表」「平安文化と鎌倉文化の比較」「ヨーロッパの農業とアジアの農業の比較」など、入試で頻出の「比較問題」対策として、非常に見やすい比較表が多用されています。これが知識の整理と定着に絶大な効果を発揮します。
後輩たちへ:『自由自在』を最強の武器にする使い方
ただし、あなたもご存知の通り、この本は「買っただけ」では力になりません。この分厚い「事典」を使いこなすにはコツが要ります。後輩たちには、ぜひ以下の使い方を伝えてください。
- 「辞書」として使うな、「教科書」として読めわからない時だけ引く「辞書」にしてはダメです。まずは小説を読むように、1ページ目から最後まで通読してください。全体像を掴むことが第一歩です。
- 「書き込み」を恐れるなこれは新品のまま取っておく本ではありません。マーカーを引き、気づいたことを書き込み、わからない部分に印をつける。ボロボロになるまで使い込んで、あなただけの「最強の教科書」に育て上げてください。
- 「3周」せよ
- 1周目: 通読し、各章の練習問題を解く。間違えた問題に「×」をつける。
- 2周目: 「×」がついた問題だけをもう一度解く。それでも間違えたら「××」をつける。
- 3周目: 「××」がついた問題を解く。この3周が完了し、全ての問題が解けるようになった時、あなたの実力は高等工科学校の合格レベルに達しています。
私は高等工科学校(少年工科学校)出身の先輩として、あえて言いますが高等工科学校は人生の視野を狭くする可能性もあるので強くはお勧めしません。ただ、様々な家庭環境があると思いますので、一刻も早く自立し、そして家族を支えたいのであれば有力な選択肢の1つになると思います。高等工科学校に入学後も防衛大学や防衛医科大にも努力次第では進学できますし、適性があれば航空学生を受験しパイロットにもなれます。また、在学中に学費を溜めて有名国立大学(一橋大学等)に進学した先輩方も数多くいます。言いたいことは、どんなに不遇な状況であったとして、この自由自在という5冊の参考書をやり込めば、少なくとも高等工科学校は合格します。
【塾不要】完全無欠の『中学 自由自在』5教科リスト
| 科目 | タイトル | 出版社 |
| 数学 | 中学 自由自在 数学 | 受験研究社 |
| 英語 | 中学 自由自在 英語 | 受験研究社 |
| 国語 | 中学 自由自在 国語 | 受験研究社 |
| 理科 | 中学 自由自在 理科 | 受験研究社 |
| 社会 | 中学 自由自在 社会 | 受験研究社 |