自衛隊の階級名称の変更については、主に自民党の国防部会や憲法改正案などで、現在の「自衛隊式」の名称から、国際標準である「軍隊式(旧軍呼称)」の名称へ変更しようという議論・提案がなされています。(※2025年時点でまだ法改正による正式決定には至っていませんが、有力な案として議論されています。政府としては令和8年度の成立を目指しております。)
以下は、その代表的な変更案に基づく比較表です。
階級名称変更案(現行 vs 新案)
| 現行名称(自衛隊) | 新名称案(軍隊式) | 英語表記(陸 / 海 / 空) |
| 【将官】 | ||
| 幕僚長たる将 | 大将(たいしょう) | General / Admiral |
| 将(しょう) | 中将(ちゅうじょう) | Lt. General / Vice Admiral |
| 将補(しょうほ) | 少将(しょうしょう) | Major General / Rear Admiral |
| 【佐官】 | ||
| 1佐(いっさ) | 大佐(たいさ) | Colonel / Captain |
| 2佐(にさ) | 中佐(ちゅうさ) | Lt. Colonel / Commander |
| 3佐(さんさ) | 少佐(しょうさ) | Major / Lt. Commander |
| 【尉官】 | ||
| 1尉(いちい) | 大尉(たいい) | Captain / Lieutenant |
| 2尉(にい) | 中尉(ちゅうい) | 1st Lieutenant / Lt. J.G. |
| 3尉(さんい) | 少尉(しょうい) | 2nd Lieutenant / Ensign |
| 【准尉】 | ||
| 准尉(じゅんい) | 准尉(じゅんい) | Warrant Officer |
| 【曹(下士官)】 | ||
| 曹長(そうちょう) | 上級曹長(じょうきゅうそうちょう) | Sgt. Major / Master CPO |
| 1曹(いっそう) | 曹長(そうちょう) | Master Sgt. / Petty Officer 1st Class |
| 2曹(にそう) | 軍曹(ぐんそう) | Sergeant / Petty Officer 2nd Class |
| 3曹(さんそう) | 伍長(ごちょう) | Corporal / Petty Officer 3rd Class |
| 【士(兵)】 | ||
| 士長(しちょう) | 上等兵(じょうとうへい) | Leading Private / Leading Seaman |
| 1士(いっし) | 1等兵(いっとうへい) | Private 1st Class / Seaman |
| 2士(にし) | 2等兵(にとうへい) | Private / Seaman Apprentice |
💡 ポイント
- 士(Shi)から兵(Hei)へ: 最も大きな変更点は「士」を「兵」に変えることです。「兵士」としての地位を明確にし、国際的な「Soldier」の概念に合わせる狙いがあります。
- 英語表記: 実は英語表記(ColonelやCaptainなど)は、現在でも対外的にはこの軍隊式呼称が使われています。今回の変更案は、日本語の名称を英語の実態(および国際標準)に合わせるという意味合いが強いです。
- 海自の特殊性: 陸・空は「大佐・中佐」ですが、海自(Navy)の英語は「Captain(大佐)」「Commander(中佐)」など独自の呼び方になります。日本語の新名称案では、陸海空統一で「大佐」とするか、海軍伝統の「大佐(だいさ)」と呼ぶかなどの議論もあります。