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機関銃落下により隊員死亡 20代隊員を書類送検


レンジャー訓練中に発生

事故の概要は以下の通りです。

今年3月、長野県松本市の陸上自衛隊駐屯地で発生した機関銃落下死亡事故で、陸上自衛隊は6月24日、20代の男性隊員を業務上過失致死の疑いで長野地検松本支部に書類送検したと発表しました。

事故は3月13日午後6時45分頃、レンジャー訓練中に発生。塔からロープで降下する準備をしていた20代の3等陸曹が所持していた約7kgの「5.56mm機関銃MINIMI」が落下し、地上で安全管理にあたっていた41歳の2等陸曹の胸に当たり、心損傷で死亡しました。

陸上自衛隊の発表によると、書類送検された隊員は安全配慮義務を十分に尽くさなかった過失が認められたとのことです。陸上自衛隊は再発防止と隊員指導の徹底を表明しています。

先週まで航空自衛隊の救難員課程(通称:PJ)のドラマの中にも今回のレンジャー課程のようなシーンがありました。ドラマは救難がメインのものですが、レンジャー部隊も日本が有事の時は日本国民の生命や財産を守ることに帰結します。なんとも痛ましい事故ですが、亡くなられた隊員のご冥福をお祈り申し上げるとともに、日々過酷な訓練に励んでいる自衛官の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。

15mの高さから7kgの機関銃直撃の衝撃は...

ちなみにどれほど危険な状況だったのか。

15mの高さから7kgの機関銃が人に当たった場合、非常に危険であり、命に関わる重篤な結果を招く可能性が極めて高いです。

具体的な影響は、当たる部位、落下物の形状(先端が尖っているか、面で当たるかなど)、受け手の体勢などによって異なりますが、一般的に以下のような状況が考えられます。

  • 頭部: 頭蓋骨骨折、脳挫傷、脳出血など、致命的な損傷を負う可能性が非常に高いです。即死に至ることも十分に考えられます。
  • 胸部・腹部: 肋骨骨折、肺や心臓、肝臓、脾臓などの内臓損傷、内出血を引き起こし、生命の危機に瀕する可能性が高いです。
  • 四肢(腕や脚): 複雑骨折、開放骨折、神経や血管の損傷など、重度の損傷を負う可能性が高いです。機能を失ったり、最悪の場合、切断に至ることもありえます。
  • 全体的な衝撃: 当たった部位だけでなく、全身に衝撃が伝わり、むち打ちや脊髄損傷など、広範囲にわたる損傷を負う可能性もあります。

物理的な考察:

落下物の速度は、空気抵抗を無視すれば、自由落下運動の法則で計算できます。 高さ h=15m 重力加速度 g≈9.8m/s2

落下時の速度 v=2gh​ v=2×9.8×15​=294​≈17.15m/s

この速度は時速に換算すると、17.15×3.6≈61.7km/h に相当します。

運動エネルギー E=21​mv2 質量 m=7kg E=21​×7×(17.15)2≈21​×7×294.1225≈1029.4J

この約1000ジュールという運動エネルギーは、人に致命的な損傷を与えるのに十分な量です。例えば、野球のボールが頭部に当たると危険ですが、それと比較しても質量がはるかに大きいため、衝撃は比べ物になりません。

上記事故のケースでは、7kgの機関銃が胸部に当たり、心損傷で死亡したとあります。これは、まさに上記の物理的な考察と合致する、非常に深刻な結果の一例です。

結論として、15mの高さから7kgのものが落下して人に当たった場合、生存は非常に困難であり、たとえ生存できたとしても重篤な後遺症を残す可能性が極めて高いです。

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