令和7年度募集から「幹部候補曹」という募集要項が追加されます。
ん?「幹部候補曹!?」 はじめて聞きますね。
・幹部候補曹とは、数年間の曹としての勤務を経て将来幹部として活躍する者を採用する制度です。
•これまでの一般幹部候補生とは異なり、各職種等部隊での曹としての勤務を通じ、知識・技能を磨き一定の経験をもって幹部候補生学校に入校し幹部に任官します。
令和7年度 幹部候補曹 採用要項より
採用要項PDFの冒頭に上記の内容が記述されております。
曹とありますが、「幹部候補」とあるように最終的には幹部自衛官に任命されます。
あとで、詳しく解説しますが採用されて5年で3尉に任命されるのであれば、昔で言う自衛隊生徒や曹候補学生に期待していた幹部ルートを採用時の段階で幹部までレールを敷いた感じですかね。
少年工科学校出身の私が言うのもなんですが、生徒や曹学出身者は優秀な隊員が多く、将来的には幹部に任官すると期待されていましたが、「曹の方が気楽♪」と言うことで部内選抜試験を受けず、部内幹部(叩き上げ)が減少し、あらゆる部隊で幹部自衛官の定員割れが常態化し、火の車という話を聞きます。
現に私が退職した時点においても部内幹部選抜試験の段階ですでに定員割れしていましたから、今回新設されたこの制度は、
「素養のある隊員を採用し、部隊経験を踏ませつつも「曹が気楽♪」と逃げれないように、自動的に幹部任官」という
生徒や曹学の理想形を強制させたような制度ですね。
幹部候補曹のキャリア
幹部自衛官になるということは前述のとおりですが、どんなキャリアを積むことになるかを採用要項から抜粋して説明します。

このキャリアは生徒や曹学の一選抜組に期待していたものをさらに時短させたような感じですね。
現行の一般曹候補生でも上記のようなキャリアを部内幹部で実現することは可能かもしれませんが、ハードルは滅茶苦茶高いと思います。
続いて、教育課程も見ていきたいと思います。

給料は!?
物価が高騰している令和の時代。
やはり就職の決め手には「お給料」も大事になってくると思います。

昨今の自衛官の処遇改善により、大幅に給料が引き上げられていますね♪
入隊時に学歴によって変わってきますが、20歳(短大卒等)で採用された場合は25歳で幹部自衛官に任官し、毎月のお給料が約30万円と非常に魅力的です。自衛隊はこの他にも各種手当がつくので記載されている金額より下回ることは注釈のようなことがない限り無いので、入隊の動機(意欲)になると思います。
まとめ
基本的に、将来幹部になることを目指す方にとってはいいこと尽くめの採用制度です。
一般幹部候補生との併願は同一区分「陸・海・空」のみ可能
一般幹部候補生との併願は同一区分となっているので、陸の幹部候補生を受ける場合は、陸の幹部候補曹を受験することが可能です。
学歴は関係なく、20歳以上33歳未満が受験対象
採用時に20歳以上33歳未満であれば学歴に関係なく受験できます。
したがって、18歳で自衛官に入隊した方も2年後に幹部候補曹や一般幹部候補生を受験し、幹部自衛官になる道を切り開くことが出来ます。
部隊勤務を経験することで、段階的にステップアップできる。
昇任スピードが早いものの、部隊勤務を経験できるので幹部自衛官になる準備、経験が詰める。
また、曹で現場を経験することで現場により添える指揮官となれる。
採用後5年で月額30万円
採用後、5年で幹部自衛官に任官するので月額約30万円の給料を得ることが出来ます。
学歴は関係ないので19歳で受験(採用時は20歳)し、合格した場合は25歳で約30万円の月収です。
高卒でも25歳で月収30万円を実現できます。
大事なことなので2度言いましたw
私はすでに自衛隊を退職しましたが、少年工科学校の採用制度が今回紹介した「幹部候補曹」みたいな区分であれば、もしかしたら、もしかしたら現役を続けていたかもしれません。
それほどまでに、キャリアや給料が充実している羨ましい制度だと思います。
自衛官に興味のある方、すでに自衛官の方でも、受験資格があるのであれば受験してみてはいかがでしょうか?
令和7年度の試験情報を記述して終わりとしたいと思います。

