「自衛官になりたい!!」
でも、どうすればいいのか分からない方も沢山いると思います。ここではイチから入隊までをイメージしやすいように時系列で手順を説明していこうと思います。
地方協力本部へ連絡
願書は一般的なエントリーシートではなく、自衛隊の用意した志願票を使用します。
ホームページや郵送等でも入手は可能みたいですが、最寄りの地方協力本部へ連絡し、「入隊を検討しています。」といった感じで自衛隊に興味がありますって連絡をすれば都合が合う時に志願票はもちろん、いろいろな相談等にも応じてくれると思います。
志願票を作成し、提出
自分の年齢や学歴を踏まえた上で、希望する採用区分を選びます。
複数受験が可能ですので複数の採用区分を受験し、合格後に選択する方法がBESTだと思います。
記入方法は記入例があると思いますが、迷ったりする場合は地本の方に聞きながら記入してもいいと思います。写真に関してもサイズ指定等があります。一般的な証明写真を活用できると思いますがお金の面で厳しい人は地本の方に相談してみてください。デジカメからカラー印刷で対応してくれるかもしれません。
1次試験
自衛官候補生は1次試験で完結しますが、それ以外の方は学科試験がメインとなる1次試験が行われます。
過去問を中心に勉強するのが合格の近道となります。各試験対策については別に記事にしておりますので参照してみてください。
2次試験
1次試験の合格通知と同時に2次試験の日程が届きます。
採用区分によっては小論文等の学力を問う試験もありますが、基本的には身体検査や口述試験がメインとなります。
『面接等は苦手だぁ~』って感じる方も多いと思いますが、無理に小細工せずに誰にでもできる身だしなみ(服装)をきちんとし、頭髪もお洒落な髪形等ではなく好印象がもらえるように整えましょう。受け答えについても真摯に対応すれば緊張していても誠実さが感じられます。2次試験も別に記事にしておりますので参照してみてください。
合格発表・入隊準備
「合格通知」=「入隊確定」ではありません。
着隊時に再度、身体検査が実施されますので合格通知をもらったからといって、暴飲暴食や不健康な生活を繰り返すと不合格になる可能性もあるので気をつけてください。
また、複数受験された方は、自分の希望や将来設計をご家族や地本の方に話してみてください。最良なものをアドバイスしてくれると思います。あとはご自身の人生なので自分で決めましょう!
その後は入隊までの準備として、体力づくりをメインにやっていきましょう。
入隊後の訓練も段階的に行われるので特段身構える必要はありませんが、やはりゼロからのスタートよりも1でも2でもあるほうが良いに決まっていますからね。持ち物等については送付もしくは地本の方が持ってきてくれる『入隊(入校)案内』に従ってください。
一番気になる頭髪等については、別に記事にしておりますので参照いただければと思いますが、面倒な場合は何もせずに着隊し、その駐屯地や基地にある理髪店で「THE 自衛官」って頭髪にしてくれるので心配はいりません(笑)
着隊・入隊(入校)式
「着隊日」=「入隊(入校)式」ではありません。
駐屯地や基地が遠方の場合は、ご家族の方は入隊(入校)式に来てもらう方が経済的な負担は少ないかもしれません。もちろん、着隊する際にご家族と一緒に来て、また約1週間後の式に呼んでも問題はありませんので、その辺りはご家族等と相談してください。
着隊してすぐに実施されるのは「身体検査」です。ここで合格すると入隊(入校)が確定します。
身体検査をパスすると入隊(入校)式に向けた準備に入ります。式は着隊日の約1週間後ぐらいにあります。制服の採寸や階級章等の縫い付け、頭髪や身だしなみ、敬礼をはじめとする挙措動作等を習得し、式に臨みます。
式にはご家族等を呼んだりすることが可能ですので、立派な門出を見てもらいましょう!!
教育部隊で自衛官としての基礎訓練
入隊(入校)式が終わった途端に、「教官が鬼に変わった!」というのは冗談ですが、入隊式が終われば同時に課程の履修が始まります。
従って、教官達は入隊者に対して立派な自衛官になってもらいたいので指導をする必要が出てきます。
別にストレス発散のためや特定の誰が嫌いというわけではなく、「武器を持つ集団(自衛隊)の一員(自衛官)」として厳正な規律を維持する必要があります。
武器を持つ自衛官は国民に信頼される存在でなければなりません。
身だしなみ、言動、教練動作、他にも細かい決め事があるかもしれません。なかには「非効率に感じたり、無意味に思えるもの」もあるかもしれません。しかし、自衛隊は命令と服従を基本とする組織なので「あえて、厳しく躾をしている」と認識してください。
あんなに厳しかった教官が卒業式の日には人が変わったみたいに優しくなったりするらしいですが、教官も無理して怒っていたりするのです。これらの認識さえ持てれば教育部隊での訓練も楽々こなせると思います。
この教育隊が終わってしまえば新入隊員も教官もみんな国を国民を守る「仲間」です。
職種決定・術校や部隊配置
教育部隊の期間は採用区分で長短ありますが、いずれの場合でも卒業に近いところで職種が発表されます。陸上・海上・航空自衛隊で色々と細かい違いはあるかもしれませんが、職種によって術科学校に行ったり、部隊に直接配属になったりします。
教育部隊では自衛官としての基礎を訓練してきましたが、術科学校や部隊では指定された職種の専門的な勉強や訓練になります。
ここまで来れば頭髪等の制限も少しずつ緩和されていくので、着隊後から色々と嫌なことがあっても、とりあえずここまでを目標に頑張ってみましょう。
あとは、職種の知識を学び、OJT等で1人前の戦力として認めてもらえればどんどん楽しくなってくると思いますし、階級も上がっていきます。階級も上がれば外出制限や外泊をはじめ、駐屯地等の外で暮らすことも可能になってきます。そうなればもう『立派な自衛官』です。
縁故募集・幹部任官・結婚出産等
・縁故募集
1人前に自衛官になったら、友人や兄弟等に自衛隊の魅力をアピールしてみてください。自衛隊の活動を知ってもらうだけでも自衛隊を理解してもらえますし、興味がある方がいれば縁故募集として『隊員にならないか?』と誘ってみましょう。
・幹部任官
初めから幹部自衛官になる採用区分の場合は特段試験を受けることなく、各課程を踏んでいくことで幹部自衛官に任命されます。
一方、はじめから幹部自衛官に任用される区分でなくても、陸上・海上・航空自衛隊でそれぞれシステムは違うと思いますが3曹に昇任して数年であったり、特定の資格や条件を満たすと幹部任官への試験等が受験できるようになるはずです。見事に合格すれば幹部自衛官になるための教育隊を経て、幹部自衛官に任官することが出来ます。
幹部自衛官として組織の幹になりたいと思ったらチャレンジするのもいいと思います。
・結婚出産等(ライフベント)
自衛官としてバリバリ仕事をこなすようになると私生活にもゆとりが出てきます。余暇活動を存分に楽しんでください。
その上でライフイベントである結婚や女性の方なら出産ということを経験するかもしれませんが、自衛隊は非常に結婚・出産・育児に手厚いサポート体制があります。
結婚に関しては駐屯地や基地等を舞台とする婚活パーティーが企画されたりしています。出産に関しても男女ともに特別休暇がかなり手厚くあり、育児に関しても女性のみならず男性隊員でも取得可能なものが多いです。