物価高騰、電気代の値上げ、そして止まらない家賃の上昇。手取りが増えにくい今、自衛官だけが使える「最強の家計防衛策」を見直すべき時が来ました。
それは、官舎(宿舎)に住むことです。「古い」「人間関係が面倒」と敬遠されがちですが、背に腹は代えられません。今こそ官舎の圧倒的な経済的メリットを直視してください。
【メリット】年間100万円が変わる?圧倒的な経済合理性
官舎に住む最大の理由は、なんといっても「お金」です。民間アパートに住む場合と比べ、その差は歴然です。
シミュレーション:都市部勤務の3人家族の場合
| 項目 | 民間賃貸 | 自衛隊官舎 |
|---|---|---|
| 家賃相場 | 120,000円 | 25,000円 |
| 駐車場 | 20,000円 | 0円〜数千円 |
| 更新料(2年毎) | 1ヶ月分 | なし |
| 年間支出 | 約175万円 | 約35万円 |
その差額、なんと年間 約140万円!
10年住めば1,400万円です。これは子供の大学費用や、退官後のマイホーム資金がほぼ無条件で貯まることを意味します。「古いから嫌だ」と言う前に、この金額を捨ててまで快適さを取るべきか、家族会議を開く価値があります。
経済面以外の「戦略的メリット」
- 通勤コストと時間の削減:
官舎は基本的に駐屯地・基地の近くにあります。ガソリン代の節約はもちろん、通勤時間が短いことは、災害招集や緊急時の対応速度に直結し、自衛官としての信頼にも繋がります。 - 最強の治安とコミュニティ:
隣人が全員「身元確かな自衛官一家」である安心感は、民間にはありません。長期演習や災害派遣で夫(父)が不在の間も、官舎全体で見守る空気感があり、防犯面では最強の要塞と言えます。 - 退去時の原状回復が明朗:
民間のような不当なクリーニング費用請求トラブルは皆無です。
【デメリット】覚悟すべき「昭和」な現実
もちろん、安いには理由があります。しかし、これらを「許容コスト」と捉えられるかが、資産形成の分かれ道です。
1. 建物・設備の老朽化
多くの官舎は昭和〜平成初期の建設です。以下の点は覚悟が必要です。
- 断熱性の低さ:夏は暑く、冬は結露との戦いです。除湿機と断熱シートは必須装備です。
- 設備の古さ:バランス釜のお風呂、和式トイレ、網戸がない、洗濯機置き場がベランダ…という物件もまだ現役です。
- エレベーター無し:4階、5階でも階段のみのケースが多く、買い物後の帰宅はトレーニング化します。
2. 濃密すぎる人間関係
「村社会」的な側面は否めません。
- 階級社会の余韻:昔ほどではありませんが、上司の家族と同じ棟になる気まずさはあります。ゴミ出しや挨拶には一般以上に気を使う必要があります。
- 役員・掃除当番:「草むしり」や自治会活動は義務です。これをサボると居心地が悪くなります。「安さの対価としての労働」と割り切る心が必要です。
結論:不便を買って、未来の自由を得る
官舎のデメリットは主に「快適性」と「プライバシー」です。しかし、これらは工夫と割り切りで解決可能です。
今の家賃高騰時代、「官舎に住める」という権利を行使しないのは、毎月数万円をドブに捨てているのと同じです。
浮いたお金を新NISAやiDeCoに回し、若いうちに資産を築く。多少ボロくても、笑って貯金通帳を眺められる強かな自衛官一家こそが、最終的に豊かな老後を勝ち取れます。
